壱:熱夢の客人 [9/9]

 そして座敷の奥を指差すと、女は静かに言った。
 「この屋の主人はあちらで……、亡くなっております」

 袂から、微かにチリンと鈴の音が聞こえた。



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©2006/三上蓮音